江戸琳派の画家として知られる村越其栄(1808~1867)は、千住を活動の拠点とし、地域の商家とも繋がりがあったといわれています。
鈴木其一の門下で絵画を学んだ其栄は、天保11(1840)年に下谷から千住河原町に居を移し、寺子屋「東耕堂」で塾主を務めながら絵師として活動しました。
名倉家にも、其栄の筆による二曲一隻屏風が伝わっています。
銀箔地の背景に、大きな雌鹿と紅葉が堂々と配置されています。
この作品は、2018年10月30日(火)から2019年2月11日(月)まで足立区立郷土博物館で開催された文化遺産調査特別展「大千住 美の系譜―酒井抱一から岡倉天心まで―」に展示され、図録の表紙も飾りました。
村越其栄と名倉家 「紅葉鹿図屏風」
2020/04/05