名倉医院には、業祖直賢の時代より「黒膏」と呼ばれる練り薬が伝わっています。
主な材料は、ニワトコの木。別名接骨木とも呼ばれるスイカズラ種の落葉灌木です。これを蒸して臼で引き、すり鉢で粉状にします。
昭和の初めごろまでは、使用人がその日使う分の薬を作る事が毎朝の日課だったようです。
大きなまな板の上で、姫のりとニワトコ、キハダの粉を混ぜ、日本酒で溶かしながら入念に練り上げ、真っ黒な薬を作ります。
この薬を、黄半紙の上にへらでのばして貼り薬として使っていたようです。
また、ニワトコとキハダの粉を酢で溶いた水薬を、関節に塗る等して使っていたと伝わっています。
名倉医院では、現在でもご希望に応じて黒膏をご提供しています。