キーンベック病
キーンベック病は、手首の中央に位置する手根骨の1つである月状骨が壊死という状態に陥り、手首の痛みや動きの制限を引き起こす疾患です。原因は不明ですが、月状骨への反復的な物理的なストレスや血流障害が発症に影響していると考えられています。
どのような人に多いか
スポーツ選手や大工、機械修理など手首の月状骨部に負荷や衝撃がかかる職業に従事する人々に多くみられます。しかし力仕事とは無縁の女性にも発症することもあります。また手首の骨格、ステロイド投与歴、喫煙、アルコールの多飲も関与している可能性があります。
主な症状
手首の中央部の痛みや腫れ、握力の低下、手首の動きの制限などを認めます。これらの症状は動作時だけでなく、安静時にも現れることがあります。
診断
症状や身体所見を確認し、レントゲン写真で月状骨の状態を評価します。発症初期の段階ではMRI画像検査が診断に有用で、月状骨の形態評価にはCT画像検査が行われます。
治療
初期段階ではサポーターを用いて手首の安静を保ち、鎮痛薬を使用する保存的治療が行われます。症状の改善が見られない場合や病態が進行している場合は手術が検討されます。手術には血管柄骨移植術、骨釘移植術、橈骨骨切り術、短縮術などが選択されます。
予防のために
確立された予防法はありませんが、手をよく使う仕事やスポーツをしている方は発症のリスクがあるため定期的な検診を受けることが勧められます。病態が進行する前に早期発見することが大切なので、症状を認めた場合は早めに医療機関を受診してください。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。