中手骨頚部骨折 (ボクサー骨折)
中手骨頚部骨折(ボクサー骨折)は、手の中手骨の頚部という部分(下図参照)に発生する骨折です。ボクシングのパンチ動作や机を叩いたりしたことなどで手の甲に強い衝撃が加わり発生します。特に薬指や小指の中手骨に多くみられます。転位(骨折のずれ)が大きいと指の機能障害が生じることや、美容面においても手術が行われることがあります。
どのような人に多いか
スポーツ選手や格闘技を行う方に多く発生します。特にボクシングや空手などの打撃系スポーツに多いです。また、パンチの動作を伴うケンカや、転落事故でも発生することがあります。
主な症状
手の甲に腫れと痛みを認め、指を動かすことが困難になる場合もあります。また、転位(骨折のずれ)が大きいと、指を曲げた際に骨折した指が隣の指の下に入り込むクロスフィンガーという現象が生じます。
診断
受傷の経緯を確認した後、レントゲン画像検査を行い骨折の有無や、骨折していた場合は転位(骨折のずれ)の方向などを確認します。
治療
骨折の程度により治療方法が異なります。転位(骨折のずれ)が少なくクロスフィンガー(指を曲げた際に骨折した指が隣の指の下に入り込む現象)を認めない場合は、ギプス固定と手指の運動療法が基本となります。固定期間は4~6週間ですが、ボクサーなどではさらに固定期間が必要となります。転位が大きく、骨折部を整復してもクロスフィンガーを認める場合は手術が必要となります。手術は経皮的に鋼線を刺入する内固定がよく選択されます。
予防のために
格闘技を行う方は正しいパンチの技術を習得し、適切な保護具を使用することが重要です。骨折を受傷した場合は、骨癒合が完全に達成されるまで十分な安静とリハビリテーションを行い、負荷をかけないようにします。術後やリハビリ期間中は、担当医や理学療法士の指示に従って適切なケアを続けることが大切です。
当院のご紹介
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およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
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