鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群)

鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群)は、股関節やその周辺の鼠径部に慢性的な痛みを認める疾患です。特にスポーツを行う際に症状が悪化しやすいことが特徴です。筋肉、腱、関節、恥骨など複数の組織が関与しているため痛みの原因を特定することが困難なこともあります。そのため近年新たに4つの疾患概念が形成され、内転筋関連鼠径部痛、腸腰筋関連鼠径部痛、鼠径部関連鼠径部痛、恥骨関連鼠径部痛に分類されています。早期の適切な診断と治療を行うことで、症状の悪化を防ぎスポーツ復帰をスムーズに進めることができます。
どのような人に多いか
サッカー、ラグビー、陸上競技(特にスプリントやハードル)、アイスホッケーなど股関節を酷使する競技に携わる人に多く見られます。また運動習慣のない方が急激に運動を開始した際にも発症することがあります。
主な症状
動作時や体重をかけた際に、鼠径部や大腿部、恥骨周辺などに鈍痛や鋭い痛みが現れます。ランニング、ジャンプ、キック動作など股関節に負荷がかかる動作で痛みが増します。また股関節の動きに制限を認める場合もあります。
診断
痛む部位やタイミング、運動習慣などを詳しく聴取し、股関節の可動域や痛みが生じる特定の動作を評価します。画像検査としてはまずレントゲン画像で骨格を評価します。さらにMRIや超音波画像などで筋肉や腱、関節の状態を詳細に確認します。
治療
症状が強い場合は運動を中止し、股関節の負荷を減らし安静を保ちます。消炎鎮痛薬を用いることもあります。一方アスリートの場合、股関節に画像検査で構造上の異常がなければ、運動療法を行いなるべく動かしながら治療を行います。運動療法としては股関節や体幹の柔軟性を高めるストレッチや筋力バランスを改善するトレーニングなどを行います。
予防のために
股関節周囲の柔軟性を高めるストレッチを日常的に行い、内転筋や体幹、臀部の筋力を鍛えることが大切です。トレーニングの量や強度は徐々に増やし、股関節に過度な負担をかけないようにして下さい。またスポーツを行う際には正しいフォームで行うことも股関節への過度な負荷をかけないために必要です。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。
