弾発股
弾発股(だんぱつこ)は、股関節を動かした際に「ポキッ」または「カチッ」といった音や感覚を自覚する状態を指します。この症状は一般に痛みを伴わないことが多いですが、特定の動作を繰り返す際に不快感や痛みを感じる場合もあります。弾発股は関節の周囲にある筋・腱や靭帯が原因となる関節外弾発股と、関節内の構造物(関節唇、関節内遊離体、滑膜性骨軟骨腫症)が原因となる関節内弾発股に分けられます。
どのような人に多いか
多くはオーバーユースによって生じ、股関節を大きく繰り返し動かす活動をしているスポーツ選手やダンサーなどに多く見られます。比較的若い年代に多く、女性に多い傾向があります。外傷や股関節周囲の手術が原因となる場合もあります。
主な症状
股関節周囲で「ポキッ」または「カチッ」という音や感覚が生じます。多くは痛みを伴わないことが多いですが、動作によっては違和感や痛みを訴えることもあります。長時間同じ動作を繰り返すと症状が悪化する場合もあります。日常生活動作やスポーツ活動に支障を認めると治療の対象となります。
診断
音がする状況や痛みの有無、日常生活やスポーツ活動について詳しく伺い、股関節の可動域や筋肉や腱の状態を確認します。音が生じる動作を再現することも診断に役立ちます。画像検査としてはレントゲン画像検査や超音波、MRIなどを用いて腱や筋肉、骨の状態を詳細に確認します。
治療
痛みを認める場合は安静とし、消炎鎮痛薬の内服やステロイドの炎症部への局所注射などを行います。注射後の痛みの改善を確認することで診断が可能となる場合もあります。特定の動作で痛みを認める場合はなるべくそのような動作をとらないようにして日常生活やスポーツを営むように気をつけます。痛みのコントロールがついた後にリハビリテーションを開始します。これらの治療を一定期間行なっても改善に乏しい場合には手術が検討されます。
予防のために
日常的なストレッチとして股関節周囲の柔軟性を維持することが重要です。特にスポーツや運動を行う前後には十分なウォーミングアップやクールダウンを心掛けましょう。また股関節周囲の筋肉をバランス良く鍛えることで負担を軽減できます。正しい姿勢で日常生活や運動を行うことも弾発股の予防に繋がります。
当院のご紹介
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およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。