大転子滑液包炎
大転子滑液包炎は、股関節の外側に位置する大転子と呼ばれる骨の突起部分に存在する滑液包に炎症が生じる疾患です。滑液包は関節周囲において腱と骨との間に存在する袋で、中に滑液という液体を含み関節運動をスムーズにしています。ここに炎症が生じて股関節外側に持続的な痛みが生じ、日常生活動作や運動に支障をきたすようになります。
大転子の位置
どのような人に多いか
ランニングやサイクリングなどの継続的な運動を行う方や、長時間立ち続ける職業の方によく見られます。また関節リウマチや痛風に罹患されている方や、過去に股関節の手術を受けたことがある方にリスクが高い傾向があります。
主な症状
股関節外側に持続する痛みです。長時間座っていた後に立ち上がる際や、階段の昇り降りなどの動作時、寝返りを打つ際に圧迫されることで痛みが増強します。
診断
痛む部位や圧痛の有無、歩行様式などの評価が行われます。画像検査としては、レントゲン写真に加えてMRIや超音波画像検査が行われ、股関節や大転子部周囲の状態を確認します。
治療
局所の安静、消炎鎮痛薬などの投薬、股関節周囲のストレッチなどが一般的です。症状が強く日常生活に支障がある場合や、スポーツ復帰が急務な場合は、ステロイド注射が選択されることもあります。また理学療法も症状の緩和に有効です。
予防のために
過度な運動や長時間の立ち仕事など股関節周囲に負担をかける行為を避けることが重要です。また、ストレッチや筋力トレーニングを行い股関節周囲の筋肉を強化することも予防に役立ちます。日常生活の姿勢や動作でも股関節に無理な負荷をかけないようにすることが大切です。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。