頚椎症・頚椎症性神経根症

「上を向いたり、うがいをしたりすると首から腕にかけて電気が走るように痛む」
「首の後ろから肩甲骨にかけて、常に重だるい痛みや張りがある」
「片側の腕や手の指先にかけてジンジンとしびれる」
このような症状でお困りではありませんか?
頚椎症および頚椎症性神経根症は、加齢に伴う首の骨(頚椎)や軟骨の変形によって、首を支える組織や神経が圧迫され首の痛みや腕のしびれを引き起こす疾患です。
50代以降の中高年の方に多く見られますが、近年では長時間のデスクワークやスマートフォンの使用による不良姿勢(ストレートネックなど)が引き金となり、若い世代でも首のトラブルを抱える方が増えています。
腕の痛みやしびれは五十肩と勘違いされることも多く、漫然と肩の治療を続けてしまうケースも少なくありません。
正確な鑑別診断と早期の治療が重要です。
疾患について
人間の首の骨(頚椎)は、7つの小さな骨が積み重なってできており、重たい頭(約5kg)を常に支えながら上下左右に複雑に動く構造をしています。
骨と骨の間には椎間板というクッションがあります。
加齢や長年の首への負担によって、この椎間板の水分が減って潰れてきたり、骨の端に骨棘という骨のトゲができたりして首の骨全体が変形してくる状態を頚椎症と呼びます。
この変形した骨のトゲや潰れた椎間板が、首から腕へと伸びる神経の枝(神経根)の出口を狭め、神経を圧迫して強い炎症を起こす状態が頚椎症性神経根症です。
症状の特徴と経過
首だけでなく、腕や手先にかけて片側性に広がるのが特徴です。
▪️ 上を向く動作での激痛
うがいをする、目薬をさす、高いところの物を取るなど、首を後ろに反らす(後屈する)と、神経の出口がさらに狭まるため、首から腕・手先にかけて鋭い痛みが走ります。
▪️ 肩甲骨周辺の重だるさ・痛み
首の付け根から肩、肩甲骨の裏側にかけて、常に重苦しい痛みや強い凝りを感じます。
▪️ 腕から指先にかけての放散痛・しびれ
圧迫されている神経の通り道に沿って、腕の外側や指先(親指側や小指側など)にビリビリとしたしびれや放散痛が現れます(通常は左右どちらか片側に出ます)。
▪️ 腕や手の筋力低下(重症例)
神経の圧迫が長引くと、握力が低下したり、腕が上がりにくくなったりすることがあります。
なりやすい方の特徴
加齢による変形に加え、首に負担をかける日常の姿勢が大きく影響します。
🔴 50代以降の中高年の方
椎間板の変性や骨棘の形成など、首の骨の加齢変化が進む年代に多発します。
🔴 長時間デスクワーク・PC作業を行う方
頭を前に突き出した姿勢(ストレートネック・スマホ首)を長時間続けると、頚椎の下部に過剰な負担が集中します。
🔴 首を反らす動作が多いお仕事の方
塗装業や電気工事、壁紙のクロス貼りなど、常に上を向いて作業をされる方に多く見られます。
🔴 重たいヘルメットを被る方や、首への衝撃が多いスポーツ歴がある方
長年の物理的な負荷が頚椎の変形を早める要因となります。
診断のポイント
首や腕の痛みは、五十肩や手根管症候群、さらには脊髄そのものが圧迫される頚椎症性脊髄症(両手のしびれや歩行障害を伴う重篤な疾患)との鑑別が極めて重要です。
主な診断アプローチ
⭐︎ 神経学的診察と誘発テスト
首を痛む側に傾けて後ろに反らし、頭を上から軽く押さえつけた際に、腕や手に痛みが走るか(ジャクソン・スパーリングテスト)を確認します。また腕の筋力低下や知覚異常の有無を丁寧に診察します。
⭐︎ レントゲン検査
首の骨の配列(ストレートネックや変形の有無)、椎間板の隙間の狭小化、骨棘(トゲ)の形成状況を確認します。
⭐︎ MRI画像検査(連携機関での精査)
神経の圧迫具合や、脊髄そのものへの影響を正確に評価するためにはMRI検査が必要です。
当院での診察の結果MRIが必要と判断した場合は、速やかに提携する画像診断センターへ検査を手配いたします。
治療法
頚椎症性神経根症は、痛みが強い時期を適切に乗り切ることで、自然に症状が和らいでいく(数ヶ月で軽快する)ことが多い疾患です。基本は保存的治療から開始します。
✅ 局所の安静と装具療法(頚椎カラー)
痛みが強い急性期は、首を反らしたり動かしたりするのを防ぐため、首に専用のソフトカラーを装着し頭の重みから頚椎を休ませます。
✅ 薬物療法
消炎鎮痛薬で痛みを抑えつつ、神経障害性疼痛の治療薬(ミロガバリンやプレガバリン)や、筋肉の緊張をほぐす薬、ビタミンB12製剤(神経の修復を助ける)を組み合わせて処方します。
✅ 温熱療法とリハビリテーション
急性期の強い痛みが落ち着いたら、首や肩の筋肉を温めて血流を改善し、筋肉の緊張を和らげる物理療法を行います。また首に負担をかけない姿勢指導を行います。
✅ 手術療法の判断
数ヶ月保存治療を行っても耐えがたい痛みが続く場合や、腕の筋肉が痩せて力が入らない(麻痺)といった重篤な神経症状が出ている場合は、手術が検討されます。その際は適切な提携総合病院へご紹介いたします。
日常生活の注意点
首に負担をかけない「姿勢の工夫」が、痛みの緩和と再発予防の鍵です。
・上を向く動作を避ける
痛みが強い間は、うがい、目薬、高いところの物を取るなどの首を反らす動作を極力避けてください。
・パソコンやスマートフォンの画面を目の高さに上げる
うつむき姿勢(ストレートネック)は首の変形を助長します。モニターの下に台を置くなどして、目線を下げずに済む作業環境を整えましょう。
・高すぎる枕を使わない
枕が高すぎると、寝ている間中ずっと首が不自然に曲がった状態になり、症状が悪化しやすくなります。首の自然なカーブを保てる高さに調整してください。
「うがいをすると首から腕に電気が走る」「腕がしびれて肩こりが治らない」といった症状がある場合は、我慢せず名倉医院駅前クリニックへご相談ください。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。









