膝蓋骨骨折
膝蓋骨は「膝のお皿」として知られ、膝の曲げ伸ばし運動を円滑に行うために重要な役割を果たしています。皮下に位置するため、転倒やスポーツ外傷、交通事故などで膝に強い外力を受け易く、その結果として膝蓋骨骨折が発生しやすい構造となっています。
膝蓋骨レントゲン写真(側面)
どのような人に多いか
10代の男性や高齢女性に多く発生します。若年者はスポーツや交通事故での受傷が一般的であり、高齢者は骨粗鬆症に基づく転倒や人工膝関節全置換術に伴う骨折として受傷するためと考えられています。
主な症状
膝の激しい痛み、腫れ、皮下出血があり、さらに膝の可動域の制限が生じます。
診断
転位(骨折部のずれ)がある場合は触診で骨折の離開部を確認できる場合もありますが、基本的にはレントゲン写真が診断に使用されます。MRIは不顕性骨折(レントゲン写真では確認できない小さな骨折)や軟部組織の評価に有用であり、手術前にはCTが骨折の形態を詳細に把握するために行われることもあります。
治療
転位が少ない骨折や転位のリスクが少ない縦骨折では、固定具を使用して安静にし、骨折の自然治癒を待つ保存的治療が行われます。大きな転位や粉砕骨折、膝蓋骨周囲の軟部組織の損傷が強い場合には手術が検討され、金属のワイヤーを用いたtension band wiring法が一般的に使用されます。
予防のために
事故や転倒を避けるためには慎重な注意が必要です。特に御高齢の方は骨粗鬆症による影響が大きいため、定期的な骨粗鬆症の検査を受け、骨の健康を維持することが予防の一環となります。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。