膝離断性骨軟骨炎
膝離断性骨軟骨炎は、思春期の男子に好発する膝のスポーツ障害です。膝関節の軟骨下骨に微小骨折が生じ、正常な治癒機転が働かず壊死が進行することによって引き起こさると考えられています。発生部位は膝関節の大腿骨内側が約80%を占めますが、日本人は円板状半月の影響から外側にも比較的多く発生します。治療の方針は、疾患の進行度や患者年齢、病変の大きさなどを考慮し、傷んだり欠損したりした軟骨を修復することを目指します。
どのような人に多いか
思春期の男子(平均12〜19歳)に好発し、スポーツとの関連性が指摘されています。
主な症状
初期では運動後の不快感や脱力感が主体であり、痛みはそれほど強くありません。進行し病変部が不安定になると痛みが強まり、膝関節の動きが制限されるようになります。病変部において軟骨片が遊離すると膝が完全に動かせなくなる「ロッキング」という状態に陥り、日常生活にも支障が大きくなります。また関節液が貯留して膝が腫れることもあります。
診断
症状を確認した上で画像検査が行われます。初期にはレントゲン写真で「骨透亮像」や「骨硬化」などの異常所見が見られます。MRIは初期病変の発見や病変部の広がり、遊離骨片を確認するのに優れています。
治療
初期には安静や歩行時の荷重制限、装具の使用などの保存治療が行われ、レントゲン写真やMRIで治癒過程を評価しながら徐々に活動性を高めていきます。治療効果が見られない場合や病変部から骨片が遊離した場合は手術が選択され、骨穿孔術や骨軟骨片固定術、自家骨軟骨柱移植術、自家培養軟骨移植術などが行われます。
予防のために
本疾患に対する確立された予防法はありません。従って早期診断が重要になるため症状を認めたら早めに医療機関を受診してください。成長期のスポーツ選手は適切なトレーニングと休息を心掛け、治療後も再発を防ぐために適切なスポーツ活動を行うことが重要です。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
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