股関節唇損傷
股関節唇は股関節の安定性と衝撃吸収に不可欠な役割を果たしています。股関節唇損傷が生じると、関節の不安定性により痛みが生じ、進行すると変形性股関節症へと移行する可能性があります。
どのような人に多いか
主にスポーツ選手やアスリートに多く発症します。特にバレエ、ゴルフ、サッカー、ランニングなどのスポーツを行う方や、先天的に大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)と呼ばれる股関節の形体異常を有する方は発症リスクが高まります。また股関節脱臼などの外傷後にも発症することがあります。
主な症状
股関節を動かす際の痛みや不快感、引っかかり感、ロッキング(関節が嵌ってしまうような状態)を認めます。日常生活動作(胡座をかく・靴下を履く・深屈曲するなど)や長時間のデスクワーク、寝返りなどにより痛みが悪化することがあります。
診断
症状と身体所見に加えて、股関節唇に焦点を当てたMRI画像検査が必要です。レントゲン写真では股関節の形体を確認します。また股関節痛の原因が本当に股関節唇かを見極めるために麻酔薬を注射して痛みの軽減を確認することもあります(キシロカインテスト)。
治療
保存療法としては関節への負担を軽減するための日常生活の工夫や運動療法が行われます。消炎鎮痛薬の使用や股関節内注射も治療の選択肢となります。手術が必要な場合には股関節の関節鏡手術が選択されます。
予防のために
股関節を深屈曲させる動作や胡座、長時間座ることを避けるように心掛けましょう。スポーツをする際には適切なウォーミングアップを行い、無理な動きや衝撃を避けるように心がけることが大切です。症状が見られた場合は、早めに専門医の診察を受けることが重要です。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。