上腕骨顆上骨折
上腕骨顆上骨折は、小児の肘周囲骨折で最も頻度が高く、主に転倒・転落により受傷する骨折です。雲梯や鉄棒からの転落し、肘を伸ばした状態で手をついて受傷するケースが多くみられます。合併症として神経・血管損傷、内反肘変形、前腕の圧が高まり緊満感や手指の運動障害が生じるコンパートメント症候群(前腕部屈側区画症候群)が発生することもあり、早期の適切な治療が必要です。
どのような人に多いか
1~14歳に広く見られますが、特に5~6歳が発症のピークです。非利き手に多く発症し、性別にはそれ程差は見られませんが、2歳未満においては女児に多く発症する傾向があります。
主な症状
肘の痛みや腫れが生じ、肘を動かすことが難しくなります。神経や血管の損傷により手指のしびれや冷感を感じることがあり、動かせなくなることもあります。
診断
受傷時の状況を聴取し、身体の所見を確認します。画像検査には主にレントゲン写真が用いられ、骨折の型や転位(ずれ)の方向を評価し、治療方針を決定します。
治療
骨折の転位(ずれ)が軽度の場合は、ギプスシーネやギプスを用いた外固定による保存療法が行われます。転位が大きく整復困難であったり、整復後も骨折部が不安定な場合には手術治療が選択されます。手術は骨折の状態に応じて金属の鋼線やプレートを用いて行います。
予防のために
子供が遊ぶ際には、遊具からの転落や運動時の転倒を予防するための安全対策が重要です。骨折の兆候がある場合には、速やかに医療機関を受診してください。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。