複合性局所疼痛症候群(CRPS)
複合性局所疼痛症候群(CRPS)は、軟部組織や神経の損傷後に発生する痛みで、通常の組織損傷から予測されるよりも強く、長期間持続します。痛みだけでなく、自律神経性の変化(例:発汗、血管運動異常)、運動機能の変化(例:筋力低下、持続的に筋緊張が亢進するジストニア)、萎縮性の変化(例:皮膚や骨の萎縮、脱毛、関節の拘縮)などが見られます。原因は明確ではありませんが、外傷や脊髄疾患、脳損傷、手術、虚血性心疾患などが関与すると考えられています。治療は多角的で、薬物療法、ブロック注射、リハビリテーション、心理学的アプローチが含まれます。
どのような人に多いか
若年成人に多くみられ、特に女性の方が男性よりも2または3倍多く発症します。
主な症状
多様な症状を呈し一定のパターンはありませんが、焼けつくような痛みや疼くような痛みがあり、触れたり風が吹いただけで痛むこともあります。自律神経症状としては発汗異常や血管収縮による皮膚の色調変化、萎縮性の変化として皮膚や骨の萎縮、脱毛が見られます。運動機能障害として筋力低下やジストニア(持続的な筋緊張亢進)が現れることもあります。
診断
痛みや感覚異常などの臨床症状から厚生労働省の研究班が作成した「複合性局所疼痛症候群の判定指標」を基に診断されます。他の疾患を除外するために画像検査が行われることもあります。
治療
四肢の運動機能回復、痛みの軽減、心理的苦痛の軽減を目指します。治療には薬物療法、神経ブロック療法、運動療法、心理療法など多角的なアプローチがとられます。
予防のために
外傷を受傷した場合は早期に適切な治療とリハビリテーションを行うことが重要です。また心理的なケアやストレス管理も予防に役立ちます。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
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