アキレス腱炎
アキレス腱炎はランナーやジャンプ動作の多いスポーツ愛好者に多くに見られ、アキレス腱部に痛みを伴う疾患です。アキレス腱は人体最大の腱であり、歩行やランニング時には体重の数倍もの張力がかかります。オーバーユースにより腱組織に微小断裂が生じ、その修復過程で炎症が引き起こされます。
どのような人に多いか
ランナーやジャンプ動作が多いスポーツ選手だけでなく、普段から体を動かす習慣がない方にも発症することがあります。トップアスリートだけでなく、レクリエーションレベルの競技者にも注意が必要です。
主な症状
アキレス腱部の歩行時痛や圧痛、腫脹が現れます。足首を背屈すると痛みが生じ、背屈制限が認められることもあります。進行すると日常生活動作に支障をきたす場合もありますので、早期の診断・治療が重要です。
アキレス腱の解剖図
診断
アキレス腱を押して痛みが誘発されるか、腫脹の有無を確認します。画像検査ではMRIや超音波が腱の状態を評価するのに役立ちます。また、レントゲン写真ではアキレス腱部に石灰化病変がないか確認されます。
治療
初期段階ではスポーツを休止し、安静やストレッチなどのセルフケアが効果的です。症状が強く改善しない場合は、消炎鎮痛薬の内服・外用、ストレッチエクササイズ、体外衝撃波などが選択され、必要に応じて手術が検討されることもあります。ヒアルロン酸注射の有効性も報告されていますが保険適応されていません。
予防のために
運動前後に十分なストレッチを行い、徐々に運動強度を上げて負荷を適切にコントロールしましょう。痛みを感じたら早い段階で運動を休止し、適切な靴を選んでクッション性や足底のアーチをサポートすることも大切です。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。