腰痛
腰痛は日本人にとって最も一般的な症状であり、国民病とも称されています。男女を問わず日常生活や仕事、スポーツなど様々な状況で発生します。急激に生じた場合「ぎっくり腰」とも呼ばれます。痛みは主に椎間板、椎間関節、筋肉、仙腸関節などから発生すると考えられており、しばしば慢性化します。慢性化しないためには急性期における適切な治療が重要です。また感染症や悪性疾患でも腰痛を認めることがあるため放置は禁物です。
どのような人に多いか
デスクワークや長時間の運転、家事、農作業、スポーツ障害、妊娠や育児、精神的なストレスなど、さまざまな生活要因や体験によって引き起こされることがあります。
主な症状
腰痛の症状は個人によって異なりますが、基本的には動作時に痛みを感じ、中腰での動作が症状を悪化させます。発熱や動悸を伴ったり、安静時や夜間にも痛みが軽減しない場合は緊急性がある可能性があるため注意が必要です。そのような症状が出たらすぐに医療機関を受診して下さい。
診断
痛みの原因を探ることが大切です。痛む部位やタイミング、職業歴、生活習慣などの情報を収集します。身体初見としては痛みを誘発する姿勢を確認したり脊柱を叩いて痛みが発生する(叩打痛)か確認します。画像検査ではレントゲン写真やMRIを行い腰椎の椎体骨折、感染性疾患、悪性疾患の有無を確認します。内科的な疾患が疑われる場合は追加検査が検討されます。
治療
日常生活での腰に負担のかかる動作は控え、適切な姿勢を保つことが重要です。通常の生活に復帰するために寝込むのではなく、可能な限り活動することが望ましいとされています。症状に応じて消炎鎮痛薬、ブロック注射、装具、物理療法などが行われます。長期的な予防策として理学療法や生活・職場での動作指導が行われます。このように個々の病態や社会的背景に応じて治療法が選択されます。
予防のために
適切な姿勢を保ち、腰の支持性を高めるための運動やストレッチが重要です。長時間の同じ姿勢を避け、デスクワーク中には1時間に1回程度立ち上がり、筋肉をほぐすストレッチを心がけましょう。デスクワークでは無意識のうちに前傾姿勢になりがちですので、注意が必要です(座位での前傾姿勢は腰の負担が非常に大きいです)。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。