小児肘内障
肘内障(ちゅうないしょう)は、歩き始めから小学入学前の子どもに多く発症し、親や友人に手や腕を引っ張られることが原因の大半となります。引っ張られる力が加わることで肘の輪状靭帯から橈骨頭が亜脱臼を起こします。徒手整復により治療され、後遺症を残すことはほとんどありませんが再発には注意が必要です。
どのような人に多いか
小学入学前までの子どもに多く発生します。
主な症状
痛みのため腕を動かさなくなり、まるで麻痺したように腕をだらんと垂らした状態となります。肘周囲を触ると非常に嫌がります。
診断
問診と身体所見により診断されますが、腕を引っ張られたというような発症様式の聴取が重要です。転倒や強打など外傷の痕跡がなく、骨折による所見がないことを確認します。超音波画像検査が行われることもあります。骨折が疑われる場合はレントゲン画像検査が必要となります。
治療
診察室内で徒手整復術が行われます。麻酔は不要です。整復される際には整復音が聞こえることもあります。整復後、比較的迅速に腕の動きが改善します。
予防のために
手や腕を強く引っ張らないように心がけましょう。特に信号が赤に変わる際や、子供が転倒した際に注意が必要です。一度肘内障になると再発のリスクが高まりますが、成長とともに発症率は減少し、正しく治療をされていれば将来的に後遺症が残ることはありません。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。