外傷性頚部症候群(むち打ち損傷)
外傷性頚部症候群(むち打ち損傷)は、交通事故や転倒などの外傷によって引き起こされる頚椎の軟部組織の損傷に伴う症候群です。交通事故による発生が多く、低速度の非追突性の事故でも発症することがあります。頚部痛だけでなく、肩こりや頭痛、めまい、嘔気、手のしびれなど多彩な症状が生じ、病名が正確につけられないこともあります。外傷としては軽症な部類でも、症状は長期にわたることがあります。
どのような人に多いか
交通事故や転倒などの外傷を経験した方に多くみられます。特に追突事故により、頭部が前後に揺さぶられることで発生しやすくなります。
主な症状
頚部痛や重量感、肩こり、頭痛、めまい、手のしびれなどの症状が現れます。精神症状や視覚・平衡感覚障害といった症状も認められ、症状が持続することもあります。症状が出現するまでに受傷日から数日かかることもあります。
診断
受傷時の状況や身体所見を確認した後、レントゲン写真の撮影が行われます。通常外傷に伴う所見は見られませんが、骨折や脱臼の有無を確認するために撮影されます。神経症状がある場合はMRI画像検査も行われます。
治療
なるべく安静期間を短くし、痛みに合わせて頚椎の動きを促し、日常生活に近づけるよう心掛けます。症状に応じて鎮痛薬や筋弛緩薬の使用、物理療法(低周波や温熱治療など)も行われます。症状が長期化する兆候があれば早期に運動療法を開始することも大切です。
予防のために
自動車運転時には交通事故に注意することは勿論ですが、急発進にも注意が必要です。受傷したら、なるべく安静や生活制限をする期間は短くし、ストレッチを中心とした体操を行うことが推奨されます。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。