鎖骨骨折
鎖骨骨折は全骨折の約5%を占める比較的一般的な骨折です。主にスポーツや交通事故などによる転倒によって引き起こされ、子供にも多く発生します。鎖骨はS字型の形状をしており、その中央部(骨幹部)や肩寄りの部位(鎖骨遠位端)で折れることが一般的です。転位(骨折のずれ)が大きい場合は神経・血管損傷を認める場合もあり早急な治療を要します。
右鎖骨骨幹部での骨折(赤丸が骨折部)
どのような人に多いか
スポーツや交通事故、転落などによって肩を打ったり手をついた衝撃で受傷します。小児にも多くみられ、分娩時の骨折としても発生することがあります。このように幅広い年齢層にみられます。
主な症状
骨折部に皮下出血や腫れ、痛みが生じます。さらに、骨折部の短縮や変形によって肩幅が狭くなったり、痛みのために腕や肩を動かせなくなることもあります。転位(骨折のずれ)が大きい場合は皮膚の上から骨の突出を確認できる場合もあります。
診断
受傷時の状況を把握し、レントゲン写真で骨折の部位や転位の程度を診断します。場合によってはCT画像検査が必要なこともあります。
治療
骨折の部位や重症度に応じて選択されます。保存療法としては鎖骨バンドを用いて骨折部を固定します。固定期間は年齢や骨折の程度によって異なりますが、一般的に2~6週間程度です。転位が大きかったり粉砕骨折を認める場合や、神経血管損傷を認める場合、美容面で手術を希望された際には金属を用いて骨折部を固定する手術が選択されます。また保存加療を行い一定期間経過しても骨癒合に至らない偽関節という状況に陥った場合は手術が必要になります。
予防のために
スポーツや活動時に適切な防具を着用することや、転倒に注意する意識を持つことが重要です。受傷してしまった際には適切な治療を受けるために早期に医療機関を受診してください。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。