扁平足
扁平足は、足のアーチ構造に異常が生じて土踏まずがなくなった状態をいいます。足のアーチは足裏を着地した際の衝撃吸収や力の伝達に重要な役割を果たしており、後脛骨筋腱がアーチ形成に重要な役割を果たしています。成人の扁平足の原因は主に後脛骨筋腱の機能不全です。小児の扁平足は成長とともに改善されることが一般的ですが、成人は様々な症状を引き起こし、手術が必要になる場合もあります。
どのような人に多いか
成人の扁平足は中年以降の女性や肥満体型の方に多く見られます。また足の外傷を受傷した後や関節リウマチの方にも発症のリスクが高まります。
主な症状
小児の扁平足の大半は症状がなく成長とともに改善しますが、まれに改善しない場合には歩行の不安定さや姿勢の悪さが現れることもあります。 成人の扁平足は足関節内側の後方に痛みや腫れが認められ、歩行で痛みが悪化します。足の裏や外側にも痛みを認めることがあり、まれに歩行障害となることがあります。
診断
痛みの部位や立った状態で土踏まずのアーチが形成されていないことを確認します。画像検査はレントゲン写真で足底のアーチなど骨格の評価を行います。後脛骨筋の状態や炎症所見の確認はMRI画像検査が有用です。
治療
小児の扁平足は治療の必要がほとんどなく自然経過を観察します。成人の場合は痛みの程度に応じて鎮痛剤や湿布を使用し、装具療法や運動療法(下腿三頭筋ストレッチや後脛骨筋の機能改善)などによる保存的治療が行われます。腱鞘内ステロイド注射も行われることがありますが、ステロイドの副作用(腱の断裂や局所感染、皮膚の色調変化など)もあり頻回に行うことはできません。保存的治療が不十分な場合や後脛骨筋の完全断裂を認める場合は手術が検討されます。手術は長趾屈筋腱移行術や踵骨内側移動骨切り術、骨移植を行う外側支柱延長術、関節固定術などがあります。
予防のために
適切な靴の選択や足の筋力トレーニングが重要です。中年以降の方は足の健康を維持するために適度な運動や体重管理に努めることが推奨されます。症状が現れた場合は早期の診断と治療のため整形外科を受診してください。
当院のご紹介
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およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
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