凍結肩(五十肩)
凍結肩(frozen shoulder、五十肩)は、40~50代の方に多い疾患です。肩の痛みや可動域の制限が起こり、腕にまで痛みが広がることもあります。明らかな原因はなく肩がまるで凍ったように動かしにくくなり日常生活の動作に大きな支障をきたします。多くは自然治癒しますが、治癒までには長い期間がかかります。
どのような人に多いか
40~50代に多くみられます。糖尿病や甲状腺疾患、喫煙は発症の危険因子とされています。
主な症状
凍結肩は通常、炎症期(2~9か月)・拘縮期(4~12か月)・回復期(5~26か月)の3つの段階があります。初期の炎症期は強い痛みを認め、肩の動きが制限されます。夜間強い痛みのため睡眠に影響を与えることもあります。次の拘縮期では痛みが和らぎつつも、肩の動きがまだ制限されています。回復期には動きが広がり、痛みはほぼなくなります。このように凍結肩の回復には1年~4年と長くかかることが一般的です。
診断
明らかな誘因がなく肩の動きがあらゆる方向に制限され、夜間に痛みを認めた時には凍結肩を疑います。凍結肩では一般的にレントゲン写真で異常は認めません。病態の把握のためには超音波検査やMRIの画像検査が行われることもあります。
超音波画像検査
治療
炎症期には鎮痛が重要です。消炎鎮痛薬の内服・外用を用い、ステロイドやヒアルロン酸の関節内注射、神経ブロック注射等を行う治療が一般的です。夜間の痛みにはタオルや枕を肘下に置くような工夫をして楽な姿勢をとることも大切です。無理に動かすことは避け、拘縮期や回復期には可動域訓練が主体となります。近年運動器カテーテル治療も行われています。まれに手術が必要な場合もありますが、治療のタイミングや方法は専門医に相談することが重要です。
予防のために
原因が分からないため予防法は確立されていませんが、糖尿病のコントロールが予防や治療に重要です。また年齢を重ねると共に肩に負担をかけないように意識してストレッチをこまめに行うことも予防に役立つ可能性があります。喫煙は回復を妨げるため、控えることが望ましいです。
当院のご紹介
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