ハムストリングス肉離れ
ハムストリングス肉離れは、筋肉が急激な過伸張ストレスによって損傷し、筋肉の繊維が一部切れる(部分断裂)か完全に切れる(完全断裂)状態を指します。特に大腿部の後面に位置するハムストリングスでの発生が多く、スポーツにおいて最も頻繁に見られる肉離れです。
どのような人に多いか
主にスポーツ選手に多く見られ、特に陸上競技やサッカーなど急激な動作が要求されるス種目の選手が発症しやすくなります。疲労、柔軟性低下、不十分なウォーミングアップ、筋力の不均衡、誤ったランニングフォームがリスク因子とされています。
主な症状
肉離れが発生すると、鋭い痛みや力が抜ける感覚が生じます。時には「プチッ」という音が聞こえることもあり、皮下出血や腫れ、断裂した部分の凹み(陥凹)が確認されることもあります。座位での痛みが強い場合は座骨近くでの発生が考えられます。時間が経過すると皮下出血は重力によって下方へ移動します。
診断
発症時の状況や痛みの部位、腫れ、皮下出血の有無などを観察し、超音波診断やMRI撮影などの画像検査を用いて損傷の程度を評価します。レントゲン写真で坐骨の剥離骨折などの合併症を確認することもあります。
治療
初期段階ではRICE処置(安静、冷却、圧迫、拳上)を行い、炎症を抑えつつ患部を安静にします。歩行が困難な場合は松葉杖を使用します。症状に応じて消炎鎮痛薬の内服・外用を用います。症状の軽減後には温熱療法と共にストレッチや筋力訓練などの運動療法が開始されます。スポーツ復帰の目安は症状とMRIや超音波画像検査に基づいて判断されます。完全断裂の場合は外科的な修復が必要な場合があります。
予防のために
運動をする際にはウォーミングアップを十分行い、正しいフォームを獲得することが大切です。普段からストレッチングをして筋肉の柔軟性を向上させておきましょう。痛みや不自然な感覚があれば早めに医療機関を受診してください。
当院のご紹介
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およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
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