特発性膝骨壊死
特発性膝骨壊死は、膝関節において大腿骨の内側に壊死という病変を引き起こす疾患です。主に中高年以上の女性に多く見られ、骨粗鬆症に伴う軟骨下の骨折が誘因となる可能性もありますが原因は明らかになっていません。急激な膝の痛みが特徴的であり、早期の適切な治療が必要です。発症初期に治療がなされないと病態が進行し手術に至ることがあります。
どのような人に多いか
50~60歳以上の女性によく見られ、骨密度が低い方や半月板機能不全の方にリスクが高まります。
主な症状
急激な膝の内側の痛みが生じ、夜間痛や関節液の貯留に伴う腫れも認めます。痛みのため歩行が困難になることがあります。
診断
症状の確認後、レントゲン写真で壊死した部位を確認します。進行すると関節面の平坦化や透亮像が現れますが、初期段階ではレントゲン写真で異常が確認できないことがあります。早期の病変を見つけるためにMRI画像検査が有用です。
治療
病変の大きさや進行度によって治療法が決定されます。初期では松葉杖や足底板を使用して体重制限をし、消炎鎮痛剤やヒアルロン酸関節内注射、リハビリテーションなども行います。進行が著しい場合は手術(高位脛骨骨切り術、人工関節置換術、骨軟骨柱移植術など)が検討されます。また、骨粗鬆症治療薬(ビスホスホネート製剤)が有効とされる報告もあります。
予防のために
原因が明らかではないため確立された予防法はありませんが、疾患の早期発見・治療が進行を予防し、手術を回避出来る可能性があります。治療後にも体重のコントロールや適切な運動、骨粗鬆症の管理が再発予防に寄与します。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。