腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症は、神経の通り道である脊柱管が加齢に伴う変化で狭窄し、主に間欠性跛行(②主な症状を参照)を特徴とする病態を引き起こす疾患です。椎間板の傷み、背骨の変形、靭帯の肥厚が主な原因となり、これにより腰痛や下肢痛・痺れ、足底部の異常感覚などが現れます。
どのような人に多いか
加齢に伴う変化でありご高齢の男性に多く見られます。若い頃の腰への負担も一因と考えられます。
主な症状
間欠性跛行が症状の特徴です。これは歩行時に症状が強まり、立ち止まって前かがみになると症状が和らぎ再び歩行出来るようになる現象をいいます。その他にも腰痛、下肢の痺れ、足底部の異常感覚が認められ、足首の背屈筋力低下(麻痺)が生じる場合もあります。急激な神経圧迫により排尿・排便障害(膀胱直腸障害)が発生することもあります。
間欠性跛行
診断
明確な基準は定まっていませんが、神経学的所見や間欠性跛行を始めとした症状の有無を確認します。画像検査としては、レントゲン写真、MRI、CTなどが行われ、特にMRIは狭窄の範囲や程度を確認する上で重要です。
治療
症状悪化を避けるために腰を後方へ伸ばす動作を制限し、薬剤(鎮痛薬、プロスタグランジンE1製剤など)の投与、コルセット装着、牽引療法などが行われます。症状に応じて仙骨硬膜外ブロックや神経根ブロック、腰椎硬膜外ブロックも選択されます。歩行距離の著しい減少や麻痺・膀胱直腸障害の症状がある場合は手術が検討されます。手術は神経の圧迫を解除する「除圧術」と腰椎を固定する「固定術」があり、病態に応じて組み合わせながら選択されます。
予防のために
正しい姿勢や腰への負担を軽減することが、日常生活動作で痛みが出ないように注意する重要なポイントです。急激な体重増加も腰に負担をかける原因となります。症状が出現した場合は早期の治療が大切ですので医療機関を受診してください。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。