母指 CM 関節症
母指CM関節症は、母指の付け根に位置する関節(第1手根中手骨関節:CM関節)において、関節軟骨が摩耗することで引き起こされる疾患です。親指を使用する際に痛みを感じ、進行すると関節が亜脱臼し、母指が変形して日常生活に支障を来すことがあります。
どのような人に多いか
手を酷使したり、力仕事に従事する男性や、更年期以降の女性に多く見られます。更年期における女性のエストロゲンホルモン減少が発症に影響する可能性も報告されています。
主な症状
親指に力を必要とする動作(例:瓶の蓋を開ける、ドアノブを回す、物を掴む)の際に痛みが発生します。進行するとCM関節が亜脱臼を起こし、スワンネック変形と呼ばれる変形が生じることもあります。
診断
母指の付け根の痛みや腫脹、指の変形などが確認されます。レントゲン写真ではCM関節の隙間の狭さや関節亜脱臼の有無などが確認されます。
治療
消炎鎮痛薬の内服や外用、親指の安静を図るためにサポーターの使用が含まれます。痛みの程度に応じては、ステロイドの関節内注射が選択されることもありますが、その際にはステロイドの副作用に十分に注意が必要です。これらの治療が一定期間行われても改善が見られない場合や、関節亜脱臼や生活に著しい支障が生じた場合は手術が検討され、関節固定術や切除関節形成術が選択されることがあります。
予防のために
手の使い方の注意し、過度な力をかけないよう気をつけて下さい。症状を認めたら早期に医療機関の受診をお勧めします
当院のご紹介
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およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
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