膝内側側副靭帯損傷
膝内側側副靭帯損傷は、膝関節の安定性を担う内側側副靭帯に外力が加わることによって引き起こされる、膝の靭帯損傷の中で最も頻繁に発生する疾患です。柔道やラグビーなどのコンタクトスポーツや交通事故による受傷が多く、前十字靭帯損傷も併発することがあります。
どのような人に多いか
主にコンタクトスポーツ選手(柔道、ラグビー、アメリカンフットボールなど)や交通事故の被害者によく見られます。また女性よりも男性に多く発症します。
主な症状
膝の内側に痛みや腫れが生じます。損傷の程度によっては関節の不安定感や動きの制限が現れます。急性期を過ぎればこれらの症状は徐々に軽減されますが、関節自体の腫れや強い不安定感がある場合は前十字靭帯も損傷している可能性が考えられます。
診断
痛みの部位や程度、内反ストレステストによる痛みの誘発テストや関節の不安定性の確認が行われます。画像検査ではレントゲン写真やMRIを撮影し、関節の不安定性や靭帯損傷の程度、および合併損傷(前十字靭帯、半月板、軟骨など)の有無が評価されます。
治療
内側側副靭帯は比較的自然治癒力が高く、単独損傷の場合は主に装具の使用、運動療法、鎮痛薬の利用、低周波治療などの保存療法が選択されます。他の靭帯や半月板などが同時に損傷している場合は手術が必要であり、損傷靭帯の修復・再建術が実施されます。
予防のために
内側側副靭帯の損傷は足が地面に固定された状態で膝の外側から衝撃を受け“Knee-in&Toe-out”という肢位になることが1つの原因と考えられています。特にコンタクトスポーツを行う際にはこのような状態を避けることが重要です。太もも後面のハムストリングスの柔軟性を高めるストレッチも重要であり、スポーツ活動時にはプロテクターやサポーターの使用も有効です。治療後は適切な運動療法を実施し、再発を予防するための努力が欠かせません。
当院のご紹介
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