膝半月板損傷
膝半月板損傷は主にスポーツ外傷や加齢に伴う変化に起因する傷害であり、しばしば靭帯損傷も同時に合併します。半月板は膝の内側と外側に存在し、体重の負荷を分散して関節の位置を安定させる緩衝材としての重要な役割を担っています。過去には半月切除術が主流な治療でしたが、半月板を切除してしまうと将来的に関節軟骨への悪影響が報告されており、現在ではなるべく温存する治療が重要視されています。
どのような人に多いか
ジャンプや急激な動きを伴うスポーツをしている方に多く見られますが、中高年者にも明らかな外傷がなく発症することがあります。これは加齢による半月板の変性が基盤にあるからと考えられます。
半月板損傷図例
主な症状
膝の曲げ伸ばし時に引っかかり感や膝くずれを認めたり、完全に伸ばすことができなくなって歩行困難に至る場合もあります。関節内の炎症により水腫や出血を認め膝が腫れて強い痛みを伴うこともあります。
診断
症状の確認と徒手検査(McMurrayテスト、Aplleyテスト)を行います。画像検査としてはレントゲン写真やMRIが行われます。半月板自体はレントゲン写真では確認できないため、半月板の損傷を高精度に評価できるMRIが有用です。MRIでは靭帯損傷の合併の有無も確認できます。関節水腫を認めた場合には、関節穿刺をして貯留している関節液の性状を調べることもあります。
治療
半月板の温存を重視し、保存療法や手術が選択されます。保存療法には消炎鎮痛薬の使用や大腿四頭筋を中心とした運動療法、ヒアルロン酸の関節内注射、温熱療法などがあります。手術は関節鏡を用いて半月板の切除や修復が行われますが、切除を行う場合でも最小限にとどめます。
予防のために
スポーツ時には適切なトレーニングが必要です。ターンやキック動作が多い種目は特に注意が必要で、正しいフォームで行うようにして下さい。また加齢とともに半月板は弱くなるため、日常生活でも膝に負荷をかけないよう注意が必要です。普段から大腿四頭筋を中心とした筋力の向上を心がけておくことも大切です。手術をされた場合は術後のリハビリテーションを適切に行うことが再発予防に繋がります。
当院のご紹介
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およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。