小児モンテジア(Monteggia)骨折
小児モンテジア(Monteggia)骨折は、前腕において尺骨の骨折と橈骨頭の脱臼を同時に伴う外傷です。雲梯からの転落や転倒などにより受傷しやすく、主に4~10歳の小児に多く発生します。骨折と同時に後骨間神経麻痺と呼ばれる神経障害が合併することもあり、手指の伸展ができなくなる症状が見られることがあります。早期の診断と治療が予後の鍵となり、適切なケアがされれば予後は良好ですが放置すると肘関節の機能障害を残す可能性が高まります。
どのような人に多いか
主に4~10歳の小児に好発しますが、成人にも発生することがあります。
主な症状
尺骨骨折に伴う前腕の強い痛みを認め、肘における橈骨頭の脱臼に伴う後骨間神経麻痺により指の伸展ができない下垂指の症状が一時的に現れることがあります。
診断
身体所見を確認した上でレントゲン写真が撮影されます。前腕骨全体のレントゲン写真により、尺骨骨折と橈骨頭脱臼の状態を評価し、骨折の重症度を判定します。
治療
尺骨骨折と橈骨頭脱臼を愛護的に整復し、その後外固定を行います。通常、尺骨が整復されると橈骨頭の脱臼も自然に整復されます。整復が難しい場合や整復後も骨折部が不安定な場合は手術が検討され、金属を用いた髄内釘固定やプレート固定が行われます。後骨間神経麻痺は多くが自然治癒します。
予防のために
子供の活発な遊びやスポーツ時には転落や転倒に対する注意が必要です。もし受傷した場合は、早期の診断と治療が予後を左右するため、迅速に医療機関を受診してください。予防的な対策としては、適切な安全装備の使用や注意深い監視が重要です。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。