肘頭骨折
肘頭骨折は、肘関節を曲げたときに後方に突出する肘頭という部分の骨折で、転倒や手をついた際の外力により生じます。肘頭は肘の曲げ伸ばしを円滑にする役割を果たし、初期に適切な治療が行われないと肘関節の機能障害や肘を伸ばす筋力の低下などが生じる可能性があります。
どのような人に多いか
転倒や手をついた外傷によって引き起こされるため、運動を活発に行う方やスポーツ選手、骨粗鬆症のある御高齢の方に多くみられます。
主な症状
肘の後方に痛みや腫れ、肘関節の動きの制限を認めます。骨折の転位(ずれ)が大きいと肘の周囲に窪みを確認できることもあります。肘頭は上腕三頭筋という肘を伸ばす働きのある筋肉が付着しており、筋肉の収縮により骨片が大きく転位しやすい特徴があります。
診断
受傷時の状況や身体所見の確認に加え、レントゲン写真の撮影が行われます。これにより骨折の程度が評価され、治療方針が決定されます。
肘頭骨折レントゲン写真例
治療
骨折の転位がわずかであれば、ギプスシーネやギプスによる固定を行います。転位が大きい場合は手術が必要になります。手術は金属の鋼線やプレートを用いて骨折部を固定します。手術後は計画的に肘の可動域訓練などリハビリテーションが行われます。
予防のために
日々の生活の中で転倒予防や安全な行動、スポーツ活動時には適切なプレースタイルを守ることが重要です。肘頭骨折は早期の診断と治療が大切ですので受傷した際には早急に医療機関を受診して下さい。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。