膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
膝蓋腱炎(ジャンパー膝)は膝蓋骨下方に痛みを認めるスポーツ障害の一つで、主にジャンプや着地、急激な動作が伴うスポーツで頻繁に発生します。反復する傷害が膝蓋骨周囲に加わることで発生し、大腿四頭筋の柔軟性低下が関与していると考えられています。広義では「大腿四頭筋腱炎」も含めてジャンパー膝と呼ばれます。
どのような人に多いか
ジャンプや着地、キック動作、ダッシュを頻繁に行うスポーツ選手に多く発症します。中学校以降の学生からプロスポーツ選手まで幅広い年齢層で見られ、男性に多く見られる特徴があります。
主な症状
膝蓋骨の下方を押すと痛みを感じたり、運動後に膝蓋骨周囲に違和感や痛みが生じることがあります。初期の痛みは軽度でスポーツの後に悪化することが一般的です。進行すると日常の歩行でも痛みを感じるようになります。
膝蓋腱解剖図
診断
症状や病歴から診断され、診断のための特定の検査はありません。画像検査としてはレントゲン写真で骨折や他疾患の有無を確認したり、超音波やMRIで膝蓋腱の状態を評価することもあります。
治療
症状の重症度に応じて治療法を選択します。全般的に膝の安静のための休養が効果的であり、スポーツ後に痛みがある場合はスポーツの負担を減らす対策が必要です。消炎鎮痛薬の内服や外用を使用することもあります。症状が進行した場合は運動療法が中心であり、理学療法士のもとでストレッチや筋力トレーニングが行われます。日常生活動作にも支障をきたすような場合は手術が検討されます。近年体外衝撃波やPRP(多血小板血漿)療法の有効性が報告されています。
予防のために
運動前の十分なウォーミングアップとストレッチが重要です。運動後も同様にストレッチを行い、アイシングを併用して疲労の蓄積を防ぐことも必要です。また筋力のバランスを整えるために理学療法士のもとでの運動療法も推奨されます。症状が改善した後も予防のためにこれらのケアを継続することが大切です。
当院のご紹介
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およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
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