投球障害肩
投球障害肩とは、野球やソフトボールなどの投球動作を繰り返すことで肩関節や周囲の筋肉、腱、靭帯、関節唇などに負担がかかり、痛みや機能障害を引き起こす状態を指します。明確な定義はなく、SLAP損傷、腱板損傷、internal impingement、上腕二頭筋腱炎、肩峰下インピンジメント症候群、Bennett lesion、リトルリーグショルダー、四辺形間隙症候群などが投球障害肩の範疇に含まれます。小中学生から高校生に多く、野球やソフトボール、バレーボール、やり投げなどオーバーヘッドポジションで手を使うスポーツ選手に特に多く見られる障害です。適切に対処しないと慢性的な痛みや運動機能の低下につながる恐れがあります。
どのような人に多いか
野球やソフトボール、バレーボール、やり投げなどオーバーヘッドポジションで繰り返し投球動作を行うスポーツをするスポーツ選手に多く見られます。10代の成長期では骨や筋肉が発達途上にあるため負担が大きいため好発年齢となります。
主な症状
投球時やその後に肩の痛みを認め、肩の動作時に違和感を自覚します。また肩関節の可動域の制限(肩がスムーズに動かない)が出現したり、肩周囲の筋力低下に伴う投球速度やコントロールの低下を認める場合もあります。
診断
従事しているスポーツ活動や、肩の痛みの程度・発生時期、練習頻度やフォームについて詳しく聴取し、肩や周囲の筋力、可動域などを評価します。画像検査としてはレントゲン写真やMRI、超音波を用いて骨や軟骨、筋・腱などの状態を詳細に確認します。確定診断のためにはMRI が必須となります。
治療
まずは肩への負担を減らすため、一定期間投球を中止します。消炎鎮痛薬や物理療法(温熱療法や低周波治療)を併用することもあります。肩の可動域を広げ、筋力を回復させるために運動療法を行い、同時に投球フォームを見直して肩への負担を軽減する正しいフォームを習得します。
予防のために
専門のコーチやトレーナーに相談して、肩への負担が少ない正しいフォームを身につけましょう。また投球数の管理が大切です。1日の投球数や連投を制限し、肩を酷使しないようにして下さい。投球前後には十分なストレッチ、ウォームアップやクールダウンを行いましょう。肩周囲の筋肉を強化することで、投球時の衝撃を分散させます。
当院のご紹介
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