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診療内容

MEDICAL

足底腱膜炎

足底腱膜の痛み

「朝起きて最初の一歩が痛い」「長時間立っていると足の裏がつらい」
このような症状に心当たりがある方は、「足底腱膜炎(そくていけんまくえん)」の可能性があります。
足底腱膜炎は、足裏にある“足底腱膜”という組織に過度な負担がかかることで発症する疾患です。とても一般的な足のトラブルですが、意外とその原因や治療法について正しく知られていないことも多くあります。名前に「炎」とつくことから炎症性の病気と認識されがちですが、実際には組織の“変性”、つまり傷んで弱くなった状態が主な病態と考えられています。

    疾患について

    足底腱膜とは、踵の骨(踵骨)から足指のつけ根にかけて扇状に広がる、強靱な線維性の組織です。歩行時に足のアーチ(土踏まず)を支え、体重の衝撃を吸収する大切な役割を担っています。

    従来は炎症が原因とされてきましたが、近年の研究では炎症性の細胞はほとんど見られず、むしろコラーゲン線維の変性組織の構造異常が中心であることが明らかになっています。

    この変性は、足底腱膜に繰り返し負担がかかることで起こる小さな損傷が積み重なり、線維の配列が乱れて強度が低下してしまうことが原因です。特に、足底腱膜がかかとの骨に付着する部分で負荷が集中しやすく、変性が起こりやすくなります。

    そのため、現在では「足底腱膜症(そくていけんまくしょう)」と呼ばれることもあり、より実態を反映した名称といえます。

    足底腱膜解剖

    メカニズムと原因

    足底腱膜炎の発症には、「ウィンドラス機構」という足のバイオメカニクスが深く関わっています。

    これは、歩行時に足の指が反る動きによって足底腱膜が巻き上げられ、アーチが引き上げられることで、足全体が安定しやすくなるというしくみです。この機構が正常に働いていれば、足底腱膜への負担は分散されます。
    しかし、以下のような要因によってこの仕組みが破綻すると、腱膜に過剰な張力がかかり、組織変性を引き起こす原因になります。

    ウィンドラス機構が破綻する要因

    ・過度の回内足
    足が内側に倒れこむことで腱膜が過剰に引き伸ばされます。
    ・ハイアーチ(甲高の足)
    足底腱膜が常に張り詰めた状態になり、柔軟性を失います。
    ・筋肉のアンバランス
    特に後脛骨筋の筋力低下はアーチの支持力を弱めます。
    ・靴の問題
    クッション性のない靴や、かかとのすり減った靴は、衝撃を直に足底に伝えてしまいます。
    ・体重増加
    腱膜への負担が増すだけでなく、ウィンドラス機構自体の効率も落ちてしまいます。

    このように、足の構造や使い方のちょっとした乱れが、かかとの痛みにつながっていくのです。

    症状

    主な症状:

    ✅ 朝起きてすぐの一歩で、踵に強い痛み
    ✅ 長時間座ったあとの立ち上がり時の痛み
    ✅ 踵の内側〜足裏中央にかけての違和感

    特に朝の痛みが強いのは、夜間の安静中に縮んでいた腱膜が、起床時に急に伸ばされるためです。しばらく歩くと痛みがやわらぐのは、腱膜が温まって柔軟性を取り戻すためと考えられます。
    しかしそのままにしておくと、痛みが慢性化し、かかとの骨に「骨棘(こつきょく)」と呼ばれるトゲ状の骨の変化が見られることもあります。ただし、この骨棘自体が痛みの直接的原因ではありません。

    治療

    足底腱膜炎は、多くの場合で保存療法(手術を行わない治療)により改善が期待できます。

    1. 安静・鎮痛薬
    急性期には無理に動かさず、休息を取ることも大切です。痛みに応じて消炎鎮痛薬も使用します。

    2. ストレッチング
    もっとも効果的とされる治療法の一つです。
    足底腱膜のストレッチ
    ・アキレス腱のストレッチ

    朝起きた直後や長時間の座位後など、痛みが出やすいタイミングでの実施がおすすめです。

    3. 適切な靴とインソール
    ・アーチサポート付き
    ・かかと部分にクッション性がある靴
    ・足底板(インソール)の使用

    足に合わない靴は、痛みを悪化させる要因となります。

    4. 体重管理
    適正体重の維持は、足底腱膜への負担を大幅に軽減させることができます。

    5. 筋力強化
    ・足の内在筋
    ・後脛骨筋

    これらの筋肉を鍛えることで、足底腱膜への依存を減らし、足全体の機能を高めることができます。

    それでも治らない場合は?

    保存療法を一定期間続けても改善しない場合は、以下の選択肢が考えられます。
    ・装具療法(サポーターやインソール)
    ・外科的治療(一部の難治例)

    まずは症状に合わせた保存療法を行い、それでも効果が不十分な場合に限り、段階的に治療を進めていきます。

    まとめ

    足底腱膜炎は、炎症というより組織の変性によって引き起こされるかかとの痛みです。
    足の構造や動きの乱れ、筋力の低下、靴の問題、体重増加など、さまざまな要因が関与しています。

    症状が出たら早めに対処することが、慢性化の予防にもつながります。
    ストレッチ、靴の見直し、筋力強化、体重管理など、日常生活の中でできることから始めてみましょう。つらいかかとの痛みにお悩みの方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。

    当院のご紹介

    症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。

    およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。

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