足底腱膜炎
足底腱膜炎は、足のアーチ構造を支える足底腱膜が踵骨に付着する部位で反復的な微小な傷害を受け、踵から足底部内側に痛みを引き起こす疾患です。特に朝や歩き始めに痛みが強く、慢性的になると踵骨に骨棘が形成されることがあります。
どのような人に多いか
ランニングやジャンプなど踏み込む動作の多いスポーツを行うアスリートや、長時間の立ち仕事をしている方によく見られます。また、ふくらはぎの筋肉やアキレス腱の柔軟性が低い方、急激な体重増加がある方、クッション性の低い靴を使用している方も発症のリスクが高まります。
主な症状
朝起きて最初の一歩が激しく痛む、しばらく休んでから急に歩きだすと痛むといった症状が一般的です。足首を背屈させると痛みが増し、日常の活動に支障をきたすことがあります。
診断
痛みの部位や発症のタイミングを確認し、レントゲン写真により踵骨棘や偏平足の有無を検査します。超音波やMRIを使用して足底腱膜の状態や損傷の程度を評価します。
治療
保存療法では足底腱膜とアキレス腱のストレッチやインソールの利用が行われます。症状に応じて消炎鎮痛薬の内服・外用を使用し、強い症状が持続する場合はステロイド局所注射が行われることもあります。ステロイドの副作用(足底腱膜やアキレス腱断裂、注射部位の感染など)には注意が必要です。手術としては足底腱膜切離術や骨棘切除術が選択され、近年では体外衝撃波や血管カテーテル治療も有効性が報告されています。
予防のために
スポーツ時には練習量をコントロールし、運動前後に十分なストレッチを行うことが重要です。アキレス腱の柔軟性を保つために日常的にストレッチを行い、クッション性のあるシューズを選んで足底への衝撃を軽減しましょう。さらに、適切な体重管理も再発を防ぐ上で重要です。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。