リウマチ性多発筋痛症(PMR)
リウマチ性多発筋痛症(PMR)は、発熱や食欲不振、倦怠感など全身症状と共に、肩・手・腰・股関節・膝などの筋肉痛、朝の1時間以上持続する手のこわばりを認める原因不明の炎症性疾患です。50歳以上の女性に多く発症します。病態は未解明なものの遺伝要因や免疫学的な異常、感染症などが関与していると考えられています。関節リウマチと疾患名が似ていますが異なる疾患です。
どのような人に多いか
50歳以上の中高年に多くみられ、女性の方が男性よりも2倍多いとされています。
主な症状
発熱や倦怠感、食欲不振など全身症状と共に肩や腰、股関節、膝、手などの筋肉痛や1時間以上持続する朝の手のこわばりなどを認めます。日本人の20%程度に側頭動脈炎を合併し、頭痛や側頭部の動脈の拍動がみられることがあります。
診断
症状の出現様式や側頭動脈の拍動の有無などを評価し、血液検査で炎症反応を示す赤沈値の亢進やCRP値の上昇の有無を確認します。画像検査はMRIで痛みを認める関節における滑液包炎の有無を評価することがありますが、特異的な画像所見はありません。側頭動脈炎の確認のためエコーが用いられることもあります。
治療
第一選択薬は副腎皮質ステロイドの内服で、プレドニゾロンなどが使用されます。一般的にステロイド投与により多くが早期に改善します。治療抵抗性の場合やステロイドによる副作用(感染症、骨粗鬆症、緑内障、高血糖など)がある場合には他の薬剤の使用が検討されます。
予防のために
原因が明らかでないため確立された予防方法はまだありません。治療中はステロイド剤による副作用である感染症や骨粗鬆症などの予防に努めることが重要です。またステロイド治療中は自己判断での減量や中止を行わず、医師の指示に従って下さい。
当院のご紹介
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およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
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