サルコペニア
サルコペニアは、高齢期における筋肉量の減少と筋力・歩行速度など身体機能の低下を指す言葉です。この現象は25~30歳頃から始まり、一生を通じて進行します。主な原因は不活動であり、特に抗重力筋が影響を受けます。筋力の低下により転倒しやすくなり、骨折のリスクも上昇します。
どのような人に多いか
高齢者の6~12%がサルコペニアに罹患しており、加齢に伴い有病率は増加します。2型糖尿病、悪性疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病(CKD)などの疾患がリスクを高めます。
主な症状
歩行や立ち上がりの困難さがあり、筋肉の減少により日常の基本的な動作に支障が生じ、介護が必要になる可能性があります。また筋力・バランス感覚が低下し転倒しやすくなります。
診断
握力・歩行速度・四肢骨格筋量の測定が行われます。筋肉の量は生体電気インピーダンス法(BIA法)や二重エネルギーX線吸収法(DXA法)によって正確に計測されます。
治療
適度な運動習慣と栄養の摂取が重要です。サルコペニアを有する方への運動介入は、四肢骨格筋量を増やし歩行速度や膝を伸ばす筋肉増強効果が期待されます。栄養は必須アミノ酸(体内で作ることができないアミノ酸)やビタミンDの摂取が推奨されます。
予防のために
定期的で適切な運動習慣が必要です。特にレジスタンス運動を含むトレーニングが加齢に伴う筋肉減少から守ります。また動物性たんぱく質(肉や魚)と植物性たんぱく質(大豆類など)をバランスよく摂取し、生活習慣を見直すことが重要です。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。