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診療内容

MEDICAL

SLAP(上方関節唇)損傷

SLAP損傷

SLAP損傷とは、肩関節の安定性に重要な役割を持つ「上方関節唇(じょうほうかんせつしん)」という軟骨組織が損傷した状態を指します。投球動作を繰り返すスポーツ選手に多いですが、日常生活での外傷によっても起こることがあります。SLAP損傷の「SLAP」は「Superior Labrum Anterior and Posterior(上方関節唇前後方)」の頭文字を取ったもので、日本語では「肩の上方関節唇損傷」と呼ばれます。関節唇は肩甲骨の関節窩の周囲に付いている線維軟骨で、肩関節のソケットを深くして上腕骨頭を安定させる役割があります。特に上方関節唇は上腕二頭筋長頭腱が付着する部位であり、肩の動きに大きな影響を与えます。

    損傷のメカニズム

    SLAP損傷は以下のような場面で発生します。

    🔴 ピールバック現象
    投球時に腕を強く外旋(外側にひねる)すると、上腕二頭筋長頭腱が上方関節唇を後方に引きはがす力が働きます。特に野球投手に多いパターンです。

    🔴 牽引損傷
    重い物を急に持ち上げたり、転倒して手をついたりした際に、強い牽引力が加わって損傷します。

    🔴 圧迫負荷
    転倒や接触で肩に強い衝撃が加わると、関節唇が圧迫されて損傷することがあります。ラグビーなどのコンタクトスポーツや交通外傷で見られます。

    🔴 反復性オーバーヘッド動作
    繰り返し投球やサーブを行うことで、関節唇に慢性的なストレスがかかり、変性や断裂が進行します。

    🔴 内側インピンジメント
    投球時のコッキング動作で、回旋筋腱板と上方関節唇が骨頭に挟まれて損傷することがあります。

    主な症状診断

    主な症状

    ・肩の痛み
    投球やサーブ、スパイクなど腕を頭上に上げる動作で痛みが出やすい。
    ・引っかかり感・音
    関節内でクリック音や引っかかる感覚がある。
    ・可動域制限と筋力低下
    進行すると腕の挙上や外旋が困難になり、筋力低下を伴うことがあります。

    診断方法

    ・問診と理学検査
    受傷状況や症状を確認し、オブライエンテスト・スピードテスト・バイセップスロードテストなどの徒手検査を行います。
    ・画像検査
    レントゲンでは骨の異常を確認しますが、関節唇の評価にはMRIが有用です。より正確に診断するため、造影剤を用いる「MR関節造影検査」を行うこともあります(施行が可能な施設は限られます)。
    ・関節鏡検査
    最終的な確定診断は関節鏡で行います。診断と同時に修復も可能です。

    治療

    SLAP損傷の治療は、大きく保存的治療と手術的治療に分けられます。
    まず症状が軽度の場合や手術の必要がないと判断される場合には、保存的治療が選択されます。
    具体的には、痛みを誘発する動作を控えて安静を保ちながら、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)や湿布によって炎症を抑える薬物療法を行います。症状に応じて注射を検討することもあります。
    加えて、肩甲骨周囲筋や回旋筋腱板を中心とした筋力強化や柔軟性改善を目的とした理学療法を実施し、投球フォームなど動作の改善にも取り組みます。

    一方で、保存的治療で十分な改善が得られない場合や、競技レベルでの復帰を希望する場合には手術的治療が検討されます。
    現在は関節鏡を用いた低侵襲手術が主流であり、損傷部分を切除するデブリドマンや、糸で関節唇を縫合・固定する修復術が行われます。さらに、必要に応じて上腕二頭筋長頭腱の処理(切離または固定)を併用することもあります。手術後も計画的なリハビリテーションが必要となります。

    予防法

    ・十分なウォーミングアップ
    ・肩甲骨周囲筋やインナーマッスルの強化
    ・正しい投球フォームの習得
    ・適度な休養の確保

    まとめ

    SLAP損傷は、野球やテニスなどオーバーヘッド動作を伴うスポーツで多く見られる肩の障害です。早期の診断と適切な治療により、多くの場合で良好な回復が期待できます。
    肩の痛みや違和感を放置せず、気になる症状がある場合は整形外科専門医にご相談ください。

    当院のご紹介

    症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。

    およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。

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