脛骨プラトー骨折(脛骨高原骨折)

「転倒してから膝に激痛が走り、地面に足をつけない」
「膝がパンパンに腫れて曲げられない」
「段差から飛び降りて膝を痛めてしまった」
このような症状でお困りではありませんか?
脛骨プラトー骨折は、別名脛骨高原骨折とも呼ばれ、すねの骨(脛骨)の膝関節面にあたる平らな部分が割れたり、陥没したりする骨折です。
体重を直接支える関節面そのものの骨折であるため、初期に正確な診断と適切な初期対応を行わないと、将来的に強い関節の痛みや変形(外傷性変形性膝関節症)を残すリスクがあります。
脛骨プラトー骨折レントゲン写真例
疾患について
膝関節は、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)が向かい合って構成されています。
すねの骨の一番上の部分は、太ももの骨を支えるために高原(プラトー)のように平らな関節面を形成しており、ここを脛骨プラトー(脛骨高原)と呼びます。
転倒や強い衝撃によって大腿骨が脛骨プラトーに強く打ち付けられると、関節面の骨が割れたり、押しつぶされて陥没したりします。
これが脛骨プラトー骨折です。
骨折線が関節の中に及ぶ関節内骨折であるため、骨の癒合だけでなく関節面の平らさ(滑らかさ)をミリ単位でいかに正確に温存・修復できるかが極めて重要な疾患です。
受傷のきっかけと主症状
🟢受傷のきっかけ
・中高年、ご高齢の方
骨粗鬆症などにより骨強度が低下している場合、つまずいて転倒した、階段を踏み外したといった日常的な転倒でも生じます。
・若年層、スポーツ愛好家
スキーやスノーボードでの転倒、バイクや自転車の交通事故、高所からの着地・転落など、強い衝撃(高エネルギー外傷)が膝に加わった際に生じます。
🟢主症状
⭐︎膝の激痛と完全な荷重不能
痛む側の足に全く体重をかけることができず、自力での歩行が困難になります。
⭐︎ 関節の著しい腫れ(関節血腫)
関節内の骨折部から出血するため、受傷後短時間で膝全体がパンパンに腫れ上がり熱感を伴います。
⭐︎ 膝の可動域制限
激痛と関節内の出血(内圧上昇)により、膝を曲げることも伸ばすこともできなくなります。
⭐︎ 皮下出血・変形
時間の経過とともに関節周囲に青あざ(皮下出血斑)が広がり、骨のずれが大きい場合は膝の外観に変形が見られることもあります。
診断のポイント
膝関節内骨折である脛骨プラトー骨折では、骨折の有無だけでなく関節面の陥没度合いや、膝の安定性を支える軟部組織の損傷を見極めることが不可欠です。
🟢主な診断アプローチ
・触診と神経・血管の確認
圧痛の部位を確認するとともに、足先の感覚障害(しびれ)や足背動脈の拍動を確認し、重要な神経や血管の損傷、血流障害が起きていないかを慎重にチェックします。
・レントゲン検査
骨折線の位置、関節面のズレや骨片の広がりを確認します。ただし、軽度の陥没や微細な骨折線はレントゲンだけでは判別が難しい場合もあります。
・超音波(エコー)検査
関節内に大量の血液(関節血腫)がたまっているか、側副靭帯の断裂や剥離がないかをその場で迅速に確認します。
・CT・MRI検査
関節面の陥没の深さや骨片の立体的な位置関係を正確に把握するための高解像度CT検査、および半月板損傷や前十字靭帯・側副靭帯損傷の合併を評価するためのMRI検査が不可欠となるため、提携する画像診断センターにて精査を行います。
治療方針と予後
骨折の転位(ズレ)や関節面の陥没がどの程度あるかによって、「保存的治療」か「手術」かが分かれます。
✅ 保存的治療(転位が軽微な場合)
骨のズレや関節面の陥没がほとんどなく、膝関節の安定性が保たれている場合に選択されます。
・初期固定(ギプス・シーネ固定)
骨折部が動かないよう、ギプスや強固なシーネ(副木)を用いて下肢を固定し、局所の安静を保ちます。
・関節穿刺
関節内の血腫によって膝の内圧が高まり激痛がある場合、必要に応じて注射器で血腫を吸引して除圧を図ります。
・免荷期間(松葉杖歩行)
骨がしっかり癒合するまでの一定期間(通常4〜6週間程度)、足をつかずに松葉杖で体重を完全に免荷します。
段階的なリハビリテーション
骨折部の安定性を確認しながら、膝関節の拘縮を防ぐための可動域訓練や、筋力維持訓練を無理のない範囲で進めます。
*当院では骨折後のリハビリは行なっていないため必要に応じて近隣の医療機関へご紹介いたします。
✅ 手術療法(転位が大きい場合)
関節面の陥没が数ミリ以上ある場合や、骨片が外側に大きくズレている場合、靭帯断裂を合併している場合は、将来の外傷性変形性膝関節症を防ぐため手術(陥没した関節面を持ち上げてプレートやスクリューで固定する骨接合術)が適応となります。
当院で迅速に初期固定と鑑別診断を行った上で、手術適応と判断された場合は、適切な提携総合病院や大学病院へ速やかにご紹介いたします。
受傷時の注意点
膝を強く痛めた直後の適切な対応が、その後の経過を大きく左右します。
▪️無理に立ち上がったり歩こうとしない
無理に足を地面につけて歩くと、関節面の陥没やズレがさらに悪化し、手術を余儀なくされる恐れがあります。
▪️患部を冷やし、安静を保つ
受傷直後は膝を氷嚢などで冷却し、足を少し高く上げた状態で安静を保ちます。
▪️早急に整形外科を受診する
時間が経つほど関節内の出血が増えて痛みが激しくなり、診断や処置が難しくなります。我慢せず速やかに医療機関を受診してください。
脛骨プラトー骨折は、膝の関節面を構成する極めて重要な骨折であり、正確な画像診断と適切な初期対応が予後を大きく左右します。
転倒や怪我で膝が激しく痛み、地面に足をつけないときは、無理に歩こうとせず名倉医院駅前クリニックへご相談ください。
当院のご紹介
症状やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
およそ250年前から千住の地で親しまれてきた名倉医院の分院として、その歴史の中で培われた知識や技術を土台として最新の医療を提供しております。
※手術やより高度な治療が必要と判断された場合は、適切な医療機関へご紹介させていただいております。









